Dr. John が 「ブッカーの頌歌」(Booker's anthem) と呼び、ジェームス・ブッカーが彼自身の 「テーマソング」 と呼んだ "Junco Partner"。多くのミュージシャンがそれぞれのスタイルで演奏しているが、ブッカーは次のようにこの曲を締めくくる。
のどが渇いた時は、ウイスキーが欲しい
のどが渇いた時は、水が少し欲しい
寂しい時は、恋人にそばにいて欲しい
そして死ぬ間際には、ヘロインを少しだけ、コカインを少しだけ *
皮肉なことに、彼はこの歌詞の通り、コカインによって死亡することになる。
ジェームス・ブッカーは素晴らしいピアニストであったが、同時にドラッグ中毒と精神障害の問題を抱え、その人生は穏やかなものではなかった。人をうんざりさせるような行動もよくしたようである。
私が - そして、おそらく彼を愛する多くの人が - ブッカーに惹かれるひとつの理由は、このコントラストにあるように思う。ブッカーはピアノを弾かなければ、ただのどうしようもないジャンキーだったかも知れない。しかし、彼がひとたび鍵盤に触れたなら、そこから奏でられるものは、まぎれもない天才の音楽であった。
*Junco Partner
I want a whiskey when I'm thirsty
I want a little water when I'm dry
I want my lover when I'm lonely
And a little heroin just before I die
And a little cocaine on the side
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