この本のサブタイトルは、"The Sound of New Orleans Rhythm and Blues"。本文は以下の７つの項目から成り立っている。

• The Piano Players
• The Pioneers
• The Record Men
• New Orleans Blues
• Woman's View Point
• The Second Line
• The Hit Makers

　各項目には、ニューオリンズ・ミュージシャンが分類され、それぞれの人生と業績について読むことができる。少し紹介すると、"The Pioneers" に Dave Bartholomew, "New Orleans Blues" に Earl King, "Woman's View Point" に Irma Thomas という具合である。

　ジェームス・ブッカーは、もちろん、"The Piano Players" に収められている。この項の他のミュージシャンは、Tuts Washington, Professor Longhair, Huey "Piano" Smith, Allen Toussaint という豪華な顔ぶればかり。この本が出版されたのは、ブッカーの死から2年後の1985年。彼の音楽が再評価され、数々のアルバムがリリースされるようになったのはここ数年のことで、この頃、ブッカーはまだ無名に近かったはずである。Champion Jack Dupree でも Dr. John でもなく、あえてそのブッカーをニューオリンズ・ピアノの大御所達と並べて紹介した著者の選択は正しく、先見の明があったと言えるだろう。